志望動機に並ぶ「綺麗な言葉」への違和感
人材派遣で毎日見る未経験者の「子どもが好き」「おじいちゃん子」「人の役に立ちたい」。それ、「中身(現場のリアル)」を見て言っていますか?たしかに入りはそれでいいかもしれません。入ってからもこの気持ちがないと続けていけません。ただ、「中身」を知ってこそ、本当の意味で仕事を長く続けることができ、社会において価値も見いだせるのです。本記事では、仕事の選び方に関して、人材業界で営業してる立場から書いていければと思います。
「憧れ」と「現実」の残酷なギャップ
保育士: 「子どもが好き」で入るが、現実は「動物園」で格闘の日々。意思疎通ができない相手にPDCAを回し、環境を設計し続ける人こそ真に子どもの役に立っている。
まずは、保育士に関してです。保育士でよくある志望動機は「子どもが好きだから」です。これはものすごく立派です。大前提子どもが好きじゃないとやっていけません。ただそれは、すべての子どもが好きだからですか?おそらく違います。一部のかわいい子どもやおとなしく無邪気な子どもが好きなだけではないでしょうか。保育士において大切なのは「子どもが好きだから」というよりも「すべての子どもの将来のことを考えられるか」です。実際の子どもは今まで他の家で育っていた子のようにおとなしく可愛いかはわかりません。子どもの数が増えれば喧嘩も起きるし、泣きが次の泣きを生みパニック状態になります。こういう環境下で耐えられるだけのメンタルと改善する思考力が必要なのです。
看護師: 白衣の天使への「憧れ」で入るが、現実は排泄介助と泥臭いケアの連続。
続いては看護師です。看護師ってこの人材業界に入るまではめちゃくちゃきれいなイメージしかありませんでした。実際はイメージとかなり違う仕事でした。薬物の管理から患者さんの介護もし、夜勤もあり生活習慣も整い切らないという様々な苦労があります。ドラマなどでよくやってる「白衣の天使」というイメージで入ったは良いものの実際は泥臭さと常に勉強をし続け、生活習慣も整えないといけないというハードさで苦しくなりやめていくというパターンを何度も見てきました。
介護士: 「おじいちゃん子」で入るが、現実はボロボロの腰と体力勝負
続いては、介護士です。介護士になるほとんどの理由は「おじいちゃん子」「おばあちゃん子」「感謝をされたい」などです。ただ介護士のほとんどの仕事は入浴介助・排泄介助・食事介助です。入浴介助や排泄介助は人間の汚い部分を見なければならないですし、食事介助は思ってるよりも気を使いながら食べさせないといけないという繊細な作業。利用者によっては動けなくて抱え上げないといけず、腰にも負担がかかる。本当に体力勝負のお仕事です。
人材営業(自分): 「感謝されたい」で入るが、現実は法人・個人からのクレームの嵐。本当に感謝されるレベルにいくには、自力で泥を這うような努力が必要。また、人で利益を生むというのは苦しい。
最後に、現在の私の職の人材です。私は今の職は転職でエージェントを使ってた時に、人と話しながらでき、ニーズも高く、仕事につなげれば感謝もされやすいという安易な理由で面接を受け、仕事を始めました。ただ、実際は感謝されたのは1/10で残りの9/10はスタッフからのクレームや就業開始後のトビ、スキル不足によるクライアントからのクレームなどでした。楽して多くの給料が欲しいという人間の嫌な部分ばかりを見てばかりでした。また、営業活動でも1日40〜100件の電話、苦労して案件を手に入れてもトビ。この仕事をやっていくなら人を物だと思いながらやれるドライさも時には必要です。
「やりたいこと」の中身は、だいたい「やりたくないこと」でできている
仕事の8割は、憧れとは程遠い「作業」や「摩擦」や「苦労」
モデルが一番わかりやすいので、モデルを例にします。いろんな人に囲まれながら最新のトレンドファッションの撮影をしてもらう。そして、雑誌やネット記事に掲載されるというのが簡単なイメージだと思います。ただこんなキラキラしてるイメージのモデルでも、半分以上は体づくりや営業・美容の積み重ねになってきます。写真撮影をし雑誌にのるのは一瞬なのです。このように仕事の8割以上は苦労です。本当に好きなことをやるにはこの8割の努力が必ず必要になります。
志望動機で語るべきは「綺麗な2割」ではなく、「8割の泥臭い部分にどう向き合うか」ではないか。
「今まで嫌だったこと」「仕事での苦労と乗り越え方」を面接の多くで聞かれます。
綺麗なことの回答は面接官や現場の管理者は求めていません。理想じゃなかったときにどう考え方や行動を変換できるかが必要になります。
25歳の僕が、保育現場で突きつけられたこと
「子どもが好き」で思考停止している新人は、自分を主役にしてしまうから、現場の「動物園」状態に耐えられない。「人が足りないのは甘え」と言い切れるプロは、その泥臭い現場を「思考」で攻略することを楽しんでいる。
本当の「適性」とは
- 好きなことの「キラキラした部分」ではなく、「一番しんどい部分」を許容できるか。
- 転職を複数回したくなければ、志望動機を書く前に、その仕事の「汚れ」を一度見に行くべきだ。

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